進撃の小型化(ACアダプタ)
昨今は電源回路界隈の高周波化が進んできています。
弊社でもその進化に遅れることなく、随時ACアダプタ、スイッチング電源の小型化を進めています。
高周波にすることで何にメリットがあるの?と疑問にお思いでしょう。
まずACアダプタの中の基板を構成する中で大きい電子部品がフェライトコアを使った
スイッチングトランスです。そのトランスを小型化できます。
デメリットもあります。高周波になると電子部品の材料分子が揺さぶられ発熱するのです。
ただトランスだけ小さくなっても、他の電子部品の発熱が高いとその部品から距離を取ったり、
ACアダプタ内に熱がこもりにくくするためにアダプタのケースも大きくする必要があります。
無理に小さく詰め込むと熱の影響で電解コンデンサの寿命が短くなり、
結果、ACアダプタの寿命が短くなってしまいます。
そこで待望の熱を抑えるような半導体材料が昨今製品化されています。
GaN(窒化ガリウム)やSiC(炭化ケイ素/シリコンカーバイド)と呼ばれる次世代パワー半導体です。
GaNのスイッチング周波数は、従来のシリコンよりも大幅に高く、損失も低く、効率が向上し、
熱の発生を減少させることができます。
これまでは周囲温度を下げるために他の電子部品との間隔を広く取ったり、
大きめのACアダプタのケースを選定したりしていました。
しかし、このGaNを含むMOSFETを採用することで発熱が抑えられ、
結果として部品間の距離を縮めて搭載できるようになり、
2次側を同期整流回路にすることで基板サイズの縮小も可能となりました。
そのためケースサイズを1〜2段階小型化でき、最終的にACアダプタ全体の小型化につながりました。
面積だけで約42%(自社製品比)も小さくなりました。
ケースが小さくなり、基板も小さくなりますので、コストを抑えることが期待できます。
弊社では電子部品の進化や技術の向上を弊社製品に取り組み、新製品の開発に活かすべく
最新技術の動向を展示会やメーカーの新製品情報をチェックし、日々弊社内でも技術の向上を図っています。
電源界隈でこんなことができないか?とか逆にこんなアナログな製品はできないか?
などご要望がありましたら、どしどしお問い合わせください。
また今回の小型化品はKAMI-shopで標準ACアダプタとして販売も始めております。
ACアダプタ、トランスに絵本と徐々にラインナップも増やしていますので、
一度アクセスしてみてください。