ダイオード vs スイッチ
前回はダイオードを使わない「同期整流」という整流方法を紹介しました。
ダイオードに比べてかなり面倒な整流方法なのですが、最近のスイッチング電源には
この同期整流がよく使われています。今回はメリットについて紹介します。
メリットとはズバリ “省エネ”です。
同期整流のスイッチには、一般的にMOSFETという電子部品が使われるのですが、
MOSFETはダイオードに比べて抵抗値が低く、消費電力が圧倒的に少ないのです。
一例ですが、弊社で採用したMOSFETはダイオードの約1/10の電圧で同じ電流値を流せます。
つまり電力(電流×電圧)が1/10で済み、省エネになります。
(MOSFETにつきましては、過去記事:“【今さら聞けない】スイッチング素子編”でも少し紹介しました。)
では、なぜこれまで主流ではなかったのか?
同期整流は消費電力を抑えるには絶大な効果があるのですが、
回路が複雑になり、制御も難しくコストもかかるため、
小型(~100Wくらいまで)の電源には向かず、大型(300W~程)の電源にしか使われませんでした。
しかし最近では抵抗の小さいMOSFETが増えたことや、
高精度で使いやすい同期整流用の制御ICが商品化されたことで、
小型電源においても同期整流が使われるようになっています。
弊社では同期整流による効率化により、25WクラスのACアダプタにおいて、
約40%の小型化(当社比)を実現した実績があります。
電気代の高騰や、SDGsへの取り組みが必要なこのご時世に合った方式となります。
弊社ではお客様のご要望の仕様や価格に合わせて最適な回路構成、部品選定にて提案させて頂きます。
電源の選定の際にはお気軽にお声がけください。お電話でもホームページからでもお問い合わせ頂けます。