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【今さら聞けない】ドーナツ派? バームクーヘン派?(2) (トロイダルトランスの特徴)

2024年12月18日
技術ネタ

 

ドーナツ派? バームクーヘン派?(2) (トロイダルトランスの特徴)

 
 

トロイダルトランスの続きです。
前回はトロイダルトランスの構造について説明しました。

 

「丸いコアにどうやって長い銅線を巻いてるの?」と疑問に思いませんでしたか?

 

巻き始めから巻き終わりまで同じ銅線を巻いていきます。
通常のトランスは巻枠に巻いていきますが、一方でトロイダルトランスは、先に銅線をコアの
真ん中の穴に通しておかないと巻けません。通した銅線をほどくようにコイルを時計の
秒針のように動かしながら巻いていきます。
トロイダル巻線専用の機械もあります。

 

 

構造はシンプルですが、絶縁テープや銅線の巻きが均等になるように、
慎重に巻いていきます。

 

このようなトランスを使う理由は
・漏れ磁束(コイル内からコアの外に漏れてしまう磁束)が少なく
 トランスから放出される磁気ノイズが小さい。
・同じ容積・重量のEIトランスに比べて、伝達できる電力が大きい。
・コアの形状をカスタムできるので、扁平な(薄い)トランスが製作できる。
といった特徴を持っており、ノイズに敏感な高級オーディオ、測定器や医療機器に使われています。

 

例えば、
スマホや車のオーディオで満足している私には全くわかりませんが、
高級オーディオは高域、低域の音が全く違うようです。
他にはノイズが原因による医療機器の誤作動や、測定器の細かい数値のバラツキを極力防いだりもします。

 

トロイダルトランスは特に「トランスから放出される磁気ノイズが低い」という特徴が
大きなアドバンテージです。
なぜこのような特徴を持たせることが出来るのかというと、

 
 

①コア(磁性材)に継目がないので、継目から磁気が漏れることがない


 
 

②磁気の通り道がコイルの内側になるので、コイルがシールドになって磁気の拡散を防ぐ


 
 
 

さらに、磁気の拡散を防ぐことによってエネルギーの伝達効率が良くなり
小型でハイパワーのトランスを作ることができます。

 

使い手側はいいことだらけですね~

 

しかーし、メリットだらけのトランスのように思えるのですが
これらすべてのメリットを全否定したくなるほど、
冒頭の巻き方に触れましたように、作りにくいのです・・・

 

職人さんと専用巻き線機でコツコツ巻きあげます。
前々回のマッチングトランスもそうですが、トロイダルトランスの需要も減っていますので
作り手側のメーカーも減ってきています。

 

加美電子ではこの作りにくいトランスを要求に合わせてカスタム対応しています。
トロイダルトランスをお探しでしたら、是非お問い合わせください。

 

 
 
 
 

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