ドーナツ派? バームクーヘン派?(トロイダルトランスの構造)
ドーナツと言えば真ん中に穴が開いたリング状のものが王道ですね~
トランスにもこんな形をした「トロイダルトランス」というものがあります。
ドーナツぐらいのサイズですと鉄と銅でできているので、ずっしり重いです。
このドーナツ型トランスは、
ノイズに敏感な高級オーディオ、測定器や医療機器に使われたりします。
構造はこんな感じです。
まず帯状の薄いコア(電磁鋼板)を専用の装置でクルクル巻いていきます。
コアの完成品は見た目はドーナツよりもバームクーヘンの断面です。
巻きはじめと巻き終わりは溶接で止めて、トランスのコアの完成です。
次に出来上がったコアに絶縁テープをミイラのようにぐるぐるに巻きます。
その絶縁テープを巻いたコアの上に1次コイル(銅線)を巻きます。
1次コイルを巻き終わったら、再びミイラのように絶縁テープを巻きます。
ミイラが長期間保存できたようにトランスも安全に長く使えるように絶縁テープを
コア→1次コイル→2次コイルと順番にグルグル巻きます。トランスの肝は絶縁です。
トロイダルトランスに絶縁テープは欠かせません。
通常のトランスとトロイダルトランスでは作り方が全く違います。
一般的なトランスはボビン(巻き枠)で1次コイルと2次コイルで絶縁し、E型とI型
のコアを挿入して作りますが、(↓過去ログ参考)
【番外編】今さら聞けない「トランス」とは何? 超初心者向けVol.2 | 過去メルマガ一覧
トロイダルトランスは絶縁テープでのみの絶縁ですので、絶縁にはより慎重になります。
最後に装置への固定をしやすいようにリード線・金具などを取り付け、完成です。
昼前配信でドーナツにバームクーヘンと、ランチとは別腹で食べたくなってきましたね!
食欲の秋ですもんね!
次回はトロイダルトランスの特長、アプリケーションと続けて参ります。