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【今さら聞けない】ちょっと気になるマッチング!(マッチングトランスの働き)

2024年10月17日
技術ネタ

 

ちょっと気になるマッチング!(マッチングトランスの働き)

 
 

先月号に続き、今月号ではマッチングトランスの働きについてお話します。

 

それではレコードの仕組みを例にマッチングトランスで音に変換(インピーダンス整合)するまでです。
レコードには溝が刻まれています。この溝には細かい凹凸があります。
①レコード針がこの溝に沿って振動することで記録された「音の波」を取り出します。
②取り出した「音の波」はカートリッジで「電気の波」に変換されてアンプに入力されます。
③入力された電気の波の信号は小さいので、アンプで増幅して大きな波の信号にします。

 

 

インピーダンスが立ちふさがるからです。インピーダンスとは要は電気抵抗です。
過去ログで復習できます。
 
【今さら聞けない】タンス+タンス ディフェンス(インピーダンスとは) | 過去メルマガ一覧

 

アンプから出力される信号は高いインピーダンス(抵抗)の信号です。
低いインピーダンスだと、増幅した信号が大きな電力を消費することになり、
アンプがオーバーヒートします。
結果、アンプそのものをかなり大きなものにしなければなりません。
一方スピーカーはコーン紙というものを大きく振動させて音を鳴らす為、
大きな電流を流さなければならないので、
低いインピーダンスの信号でないと、こちらも大きな電力を消費することになるのです。
つまり、高いインピーダンスが好みのアンプと、低いインピーダンスが好みのスピーカー。
二人の縁を繋ぐために、好み(インピーダンス)を合わせる必要があります。

 

さて、ここでマッチングトランスの登場デス!
その仲を取り持つために、マッチングトランスにはインピーダンスを
整合(一致させる)する働きがあります。
アンプとスピーカーの間に使うことで、音源の信号を効率的にスピーカーに伝えて正確に
再現することができます。
マッチングトランスは電気回路において、相互のインピーダンスを合わせ、
その効果を最大とすることができるものなのです。

 

 

しかしながら、最近のオーディオアンプは半導体(トランジスタ)を使って増幅しており、
マッチングトランスを使わなくても出力を直接スピーカーに接続してきちんと音を鳴らすことができます。
それでも先月号で例にあげたようなインターホンやマイクの他にも高級オーディオ機器や
構内放送機器、防災無線、車載用のサイレン等にはマッチングトランスが使われています。
音を鳴らす以外にも電話機(IP電話)、低周波治療器など信号を伝達するような機器にも使用されています。

 

余談ですが、今の若い世代に電話機って? て言われました。
各家庭に1台プラス子機なんかがあったのは昔?の話で電話機が家庭から無くなってきているんですね。スマホで事足りますもんね。
昔はスマホなんかなかったので恋人の家に電話をするのにも親がでるとドキドキしたものです。
電話越しに恋人の家族とのマッチングもなんとなくわかったんですけどね~
デジタル化で便利になったはずなのに、そんなドキドキもない希薄な時代になったんですかね~
ちょっと淋しいですね~

 

軽い・薄い・小さいが好まれるデジタル時代になって、トランスは重く嵩張るので敬遠されているのですが、
加美電子にはまだまだそんなアナログ技術があります。
ニッチかもしれませんが、ニーズがありますので、マッチングトランスは引き続き生産して参ります。
最近はさらに時代に逆行してトロイダルトランスの生産も始めました。このトロイダルトランスは
マッチングトランスにも増して重く、希少なアナログ部品の代表格ですが、漏れ磁束が抑えられ、
高級オーディオ機器や医療機器には根強いニーズがあります。
トランスが無くなってきて困っているというユーザー様は是非 加美電子 にお問い合わせ下さい。

 
 
 

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