撮り鉄派?乗り鉄派?(部品のE系列とは)
電子部品には容量を表すほかに、定数で表す部品があります。
定数? 「ていすう」「じょうすう」と両方読み方があるようですが、
「豚汁」を「とんじる」と読むか「ぶたじる」と読むかのレベルで
特に決まりはないようです。
その定数ですが、コンデンサは3300uF、抵抗は330Ωと中途半端な値が標準です。
キリの良い3000uFや300Ωの方が実は特殊なのです。
ちなみにテニスの得点は15→30→40と数え、15点ずつ加算ではありません。
3ポイント目は45ではなく40(フォーティー)です。
フォーティーファイブというのが長く、フォーティーのほうが単純に言いやすいからだそう。
電子部品の定数の値にも、目から鱗のきちんとした理由があるんです。
電子部品を選定するときに、定数の一覧表を見るとE6系やE12系などに区別されています。
E6系と言えば秋田新幹線「こまち」を連想してしまいます。同じ連想をした人いますよね?
東京駅でE5系「はやぶさ」と連結された瞬間をつい写真で撮ってしまいました。
連結という意味では、この連想もあながち間違いではないかも?です。
部品公差が±20%の場合は、1から10までの間に6個の数字で区分し、E6系と呼びます。
同様に、±10%の場合は12個でE12系と呼びます。
ちなみにE系列のEは、Exponent(指数)のイニシャル E です。
表に示すとこうです。
例にE6系の定数の公差範囲±20%をグラフに表すと、こんな感じになります。
重なり合わないように(ちょっとだけ重なるけど)、且つすべてのエリアをカバーできるようになっています。
あたかも、電車の連結のようですよねw。
実は、これらの中途半端と思われた数列は電子部品の値の誤差とバラツキを考慮した値になっているんです。
この定数は世界共通です。
コンデンサはE6系、抵抗はE12系に統一して設計すると、部品の種類が減って入手性も生産性もよくなります。
製品の性能・安全性を確立するにはE12系までで設計することは難しいですが、
生産中止部品が多い昨今、標準品で問題無い部品は出来るだけ標準品を使うように心がけたいですね。
弊社製品はというとカスタム品がほとんどですが、使用する材料は極力標準品の選定を試みます。
もちろん電気的な仕様を満たすのに専用部品を使うことも多々あります。
トランス、電源は絶縁にかかわる重要部品です。同じ電気的仕様でも各国安全規格や用途によって
絶縁距離確保のためサイズが変わったり、見た目ではわかり難い、中身の構造が変わってきたりします。
標準品とカスタム品を使い分け、コアコンピタンス(他社にできない強み)*で、「がっちり」いきたいものですね。
*漫画「デンコちゃんとKAMIセブン」 第87話 | 過去メルマガ一覧