1人2役3役の名役者(スイッチングレギュレータの働き)
2023年12月号、2024年1月号にわたり、リニア方式とスイッチング方式の
電源、ACアダプタの特長について説明しました。
今回はそのスイッチング電源をもう少し突っ込んでみます。
1つのスイッチング電源から複数の出力(DC12VとDC5V)を取りたいという場合があります。
2つも3つも電源を並べるよりは1つの電源でスペースを取らず、コストも抑えたい、
って普通は考えますよね。そこでスイッチングレギュレータの登場です。
スイッチングレギュレータは
入力電圧(直流)を必要な出力電圧(直流)に変換する役割があります。
回路で消費される電力が少なく、高効率に入力電圧より低い出力電圧を作ったり、
入力電圧より高い出力電圧を作ったりすることができます。
一般的に前者を降圧コンバータ、後者を昇圧コンバータと呼びます。
降圧コンバータを例に取ると下図のようにFET、コイル、ダイオード、コンデンサから
構成されています。
降圧コンバーターの回路構成
降圧コンバータの回路動作について説明しますと簡単なイメージとして
入力電圧DC12V(図1)をFETのD(ドレイン)- S(ソース)間でオンとオフを交互に切り替えて
一旦、パルス波形を作り出します(図2)。
その波形をコイルとコンデンサC2で平滑化することによりDC5Vを得ることができます(図3)。
FETのオン時間を長くすると出力電圧が高くなり、オン時間が短いほど出力電圧は低くなるイメージです。
スイッチングレギュレータがどのように構成されているかの一例です。
出力がDC12VとDC5Vの2出力スイッチング電源の場合、
出力DC5V側は出力DC12Vを利用してスイッチングレギュレータでDC5Vの電圧を作ります。
意外と簡単に2出力電源ができます。他にも複数出力のやり方はありますが、
スイッチングレギュレータを用いて構成しますと出力電圧 DC5Vがふらつかず、安定します。
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