アレのアレって?
大阪を拠点とする我々はタイガース、バファローズの「あれ」ですごく盛り上がりました。
関西圏以外でアレにご興味の無かった方はゴメンナサイ!
ただ、興味がなくても知っておかなければならないことはあります!
電気業界に従事しておられる方! 今回は新たな環境負荷物質についてです・・・
最近「デクロランプラス」という耳慣れない言葉を聞きませんか?
プラスがついているので、なにかポジティブかと思いきや、
新たに禁止物質に仲間入りする環境負荷物質です。
今年の5月に開催されたストックホルム条約第11回締約国会議(COP11)において
メトキシクロル、デクロランプラス及びUV-328を同条約の附属書A(廃絶)に追加することが、
決定され、日本においても今年7月に開催された化学物質審議会第29回審査部会において、
化学物質審査規制法(化審法)に第一種特定化学物質への指定が決定されました。
「あれ~聞いたこと無いな~」っていう方。
この技術ネタを読んだら、すぐに「デクロランプラス」を調べて、自社の材料、製品を調べてみてください。
【参考:経済産業省HP】https://www.meti.go.jp/shingikai/kagakubusshitsu/shinsa/229.html
※開催資料の資料3「メトキシクロル、デクロランプラス及びUV-328の第一種特定化学物質への指定等に係るスケジュールについて(報告)」をご覧ください。
主に難燃剤として使用されています。弊社の製品ですとトランスやチョークコイルに使用する
テープの粘着剤にこのデクロランプラスが含有されています。
一例として弊社の製品では下の絵の⑤がそれにあたります。
デクロランプラスという言葉は知らなくとも、環境に関する「RoHS指令」、「Reach規則」や「chemSHERPA」という禁止物質の法令や管理方法についてはよく耳にしているのではないでしょうか。
法令では環境負荷物質を意図的に使用することを禁止しています。
電気製品を構成する電子部品や筐体には金属や樹脂がたくさん使用されています。
最近は家電製品だけでなく、車もどんどん電動化が進み、たくさんの電子部品が使われています。
電子部品やその材料の中には元々多くの環境負荷物質が含まれておりましたが、
年々環境への配慮や部品を作る過程での健康被害への規制が厳しくなり、
使ってはいけない禁止物質も増えてきています。
環境負荷物質の使用禁止はもちろん、しっかりと管理しないことには取引も難しくなってきています。
このデクロランプラスが含まれる製品、材料は2024年の秋以降からの輸入禁止になります。
(※特定の用途以外の使用制限)
シンガポールでは来年5月から輸出入が禁止になります。
(禁止日付が変更、延期された場合はこの限りではありません)
皆さまのお会社ではその対策をしていますでしょうか?
デクロランプラス含有の材料をたくさん在庫していませんか?
ものが入らないからと2年、3年先まで注文していませんか?
代替品は探されていますか?
海外取引先との輸出入ができなくなります。
弊社では来年に、このデクロランプラスが含有するテープを日本、中国、インドネシア工場で順次廃棄していきます。
トランス完成品にしてしまいますと見た目では含有品、非含有品の区別がつかないためです。
使える材料を廃棄するので、損失にはなります。
後々完成品にしてからデクロランプラス含有品が輸出入できないわ、売れないわで、材料、
完成品の在庫が山積みの損失に比べれば今なら「損して得取れ」です。
弊社では管理面においてもデクロランプラス含有のトランス、コイルの品番の末番を全て変更し、
テープの色を変更できるものは変更します。
二重、三重の変更で変更前機種と変更後機種を見た目でわかるように会社全体で一斉に変更作業に取り組んでいます。
RoHS指令やchemSHERPA調査等の環境調査にも弊社では専任がおりますので、
実際の変更対応だけでなく、データ作成、書面提出は迅速です。
新規や置き換えをご検討の際には環境対応につきましても安心な弊社製品をお選びください。