西日本は2割お得⁈
今回はトランスと周波数の関係についていきなり問題です!
周波数 50Hzと60Hzではどちらの方がトランスは小さくなるでしょうか?
ちなみに50Hzは東日本、60Hzは西日本です。
一体何なん?という方。
過去メルマガ 技術ネタ 2022年3月号の「磁束密度とトランスのサイズの関係」
【今さら聞けない】磁束密度とトランスのサイズの関係 | 過去メルマガ一覧
をご確認頂ければヒントがあります。
解説!
磁束密度というものが、イメージしにくいので、式を銅線の巻数(t)=の式に変換します。
上式で周波数以外の入力電圧、磁束密度、コア断面積の条件が同じであれば、
周波数の差だけとなります。
50Hzと60Hzでは1.2倍の差があります。
算数の授業で習った通り、分母の大きくなる60Hzでは答えが2割小さくなります。
というわけで正解は60Hzです。
60Hzの場合は50Hzに比べて2割少ない銅線で済む。
すなわち、その分トランスを小さくできるということになります。
イメージできたでしょうか?
昔々は50Hzと60Hzの切替えスイッチが付いた家電がありましたが、
今はほぼ存在しません。大きいほうの50Hzで設計をします。
周波数が高周波になればなるほどトランスは小さくできますが、
電源を構成するスイッチング素子の周波数に合わせる必要があります。
スイッチング素子の高周波化が進めば、トランスの小型化も進みます。
トランスの設計ではスイッチング素子の周波数に合わせて最適なコアを選定します。
周波数50/60Hzではコアは珪素鋼鈑、数百kHzではフェライトコアを選定します。
今は後者が主流です。同じ鉄のコアですが、形状も素材も違います。
最適なコアを選定しないとコアの損失が大きくなり、使いものになりません。
電源を設計する際には使用するスイッチング素子、回路構成、入力、出力をご教示ください。
弊社にて使用するスイッチング素子を調べ、最適なトランスを提案させていただきます。
試作も早いですし、ちょい変にもすぐに対応しますので、本当に安心していただけます。