誰か私をかくまって!
「かくまって」って! 別に悪いことはしていません。
ただちょっと居留守を使いたいときってありませんか?
「納期」に「値下げ」、どちらも誰か私をかくまって! です。
今回はそんな「かくまう」という意味のシールドのお話です。
トランスには静電シールドという覆い、防御膜(前回のノイズ対策編の薄い銅板)を使う場合があります。
かくまう、というよりは遮断の意味合いのほうが強いです。
トランスは電圧を変換するために使います。
例えば入力AC200V(1次側巻線)を機器の入力のAC100V(2次側巻線)に変換します。
その電圧変換時に必要のないノイズ(前回、前々回メルマガ参照)まで一緒に移行させてしまいます。
多少のノイズでしたら、影響しない機器もありますが、
デリケートな機器はノイズの影響を受けてしまいます。
そこで静電シールドの登場です。
トランスには1次側巻線と2次側巻線の間にコンデンサ成分(静電容量)が存在します。
このコンデンサ成分と2次側と対地間で様々な現象で電圧を誘起することがあります。
この誘起電圧(磁束の変化により生じる電圧)とノイズの移行を軽減する目的で
1次側巻線と2次側巻線の間に静電シールドをサンドウィッチします。
1次側巻線をかくまうことで誘起電圧やノイズの移行を軽減します。
1次側と2次側の間には絶縁が必要です。静電シールドの材質は銅、アルミなどですので、
ボビンやテープにて確実に絶縁し配置します。
また、このシールドは接地(アース)してトランスを使用します。
「1次側巻線と2次側巻線の間に静電シールドをサンドウィッチします。」が下の図です。
弊社のトランスの構造上、静電シールドを設けることができる形状、出来ない形状がございます。
静電シールドをご要望の際には、形状も含めて提案させて頂きます。