コンデンサもご長寿ニッポン
昨今、電子部品の生産中止が相次いでおりますが、
代替品の検討のため海外メーカーに目を向けられる方も多いかと思います。
今回は、電源の寿命を左右するアルミ電解コンデンサを例に挙げ、
過去の市場トラブルを交えてお話させて頂きます。
アルミ電解コンデンサの内部には電解液が含まれており、この電解液は
リップル電流などの発熱により蒸発・劣化し、やがて寿命を迎えます。
コンデンサの長寿命化 = 電子機器の長寿命化 となり、重要な課題です。
コンデンサの長寿命化は等価抵抗(ESR)を減らし、発熱を抑えることがカギとなるのですが、
そう簡単な問題ではありませんでした。
過去に、電解液にESRの低い第四級アンモニウム塩を用いたアルミ電解コンデンサが製造されました。
しかし長寿命の期待に相反して、広く流通した矢先に不良が続出したのです。
原因は封口ゴムの腐食、電解液との相性の悪さに起因し液漏れを引き起こしたものとされています。
現在、国内の電解コンデンサメーカーでは過去の問題を再発させないため、
様々な信頼性評価が実施されています。
また別のお話として、電解液は水を主成分とすれば電導性が高く、
初期特性が良くなる特徴があります。(= 含水系電解液)
しかしその反面、水が電極(アルミ箔)と反応して水酸化アルミニウムが発生しやすく、
結果的に短命となる危険があるため、国内メーカーはこちらも様々な改善に努められています。
一部の海外メーカーから提供される安価なコンデンサは、上記の対策がなされていない可能性があり
正常な使用条件であっても、本来の寿命よりも大幅に短い期間で故障してしまう恐れがあります。
価格が半値でも寿命が半分であれば、結局のところランニングコストは同額です。
弊社ではアルミ電解コンデンサは基本的に日系メーカーを採用する様にしており
また、長寿命化のご要望に沿ったACアダプタ・電源の設計にも取り組んでおります。
ご検討の際は是非お問い合わせください。