電磁誘導とトランスのメカニズム
トランスのメカニズムに、電磁誘導が利用されています。
今回はトランスと電磁誘導との密接な関係性を簡単に説明したいと思います。
電磁誘導を一言でいえば、【磁束が変化するとき、導体(コイル)に起電力が発生する現象】です。
・・・
この一言ではわかりませんよね。。。
とりあえず、トランスはこの現象を利用して、
出力側に任意の交流電圧を発生させることができるものなのです。
前提として、直流では電流値が常に一定のため、電磁誘導は発生しません。
先に、本記事で登場する言葉の説明を致します。
まずは磁束が変化する環境についてです。
コイルに電流が流れて発生した磁束は、次の条件で変化します。
・コイルが動く
・鉄芯が動く
・電流値が変わる(すなわち交流)←トランスではこの条件を利用しています。
そしてこの磁束が変化するとき、一時的にコイルが起電力を持ちます。(電磁誘導)
上記を踏まえて、下図、簡単なトランスの図解を見てみます。
入力側コイル①に交流電源から電流が流れることで中の鉄芯が磁力を持ち、
更に、コイル①に流れる電流値は「交流」のため、周期的に向きと大きさが変化します。
その磁束は鉄芯を伝ってコイル②までつながっているので、
電流変化 ⇒ 磁束変化 ⇒ 磁界内の導体(コイル②)に起電力発生 = 電磁誘導
この電磁誘導が連続的に発生しつづけるため、出力側コイル②、電源と直接つながっていなくとも、
電圧を発生させることが可能なのです。
この時発生する電圧は巻き数比に応じた電圧値となります。
次回は、この磁束とトランスサイズの関係について紹介していきます。