樹脂成形品の違い
昨今、業界を取り巻く材料入手難は、果たしてコロナ禍だけが原因なのか怪しいところですが
今回は、あちこちで入手難が叫ばれる樹脂について、紹介いたします。
弊社では、以前 ACアダプタ主要部品 ケース編で紹介したアダプタケースの他、
パッと見では分かりにくいですが、トランスのボビン(銅線の巻枠)にも樹脂を使用しています。
↑左:熱硬化性ボビン、真ん中・右:熱可塑性ボビン ※ボビン色は硬化性・可塑性に関係ありません。
樹脂成型品に使用する樹脂は、大きくは熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂に区分されます。
熱硬化性樹脂 | 熱可塑性樹脂 | |
---|---|---|
特性 | 熱を加えると化学反応により硬化 樹脂が結合するため、熱を加えても軟化しづらい |
熱を加えると軟化し、冷却すると固体化 成型後も熱を加えれば再び軟化する |
長所 | ・曲げや歪みに対して優れている ・機械的強度が高い ・耐熱性が高い |
・再利用可能 ・成形時間が短い(=安価) ・加工が容易 |
例 | フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂 他 | ABS樹脂、ポリ塩化ビニル、PET、PBT 他 |
熱硬化性は卵 熱可塑性はチョコレート
とイメージしていただくとわかりやすいと思います。
上表の特徴の他、要求される製品重量・大きさ・強度・嵌合の有無 等、
都度、製品に最適なモノを選定させていただいております。
弊社では実装スペースに合わせた形状提案のため、様々なボビン形状を持ち、
場合によっては、新たな樹脂素材での起型ボビンも検討いたしますので、
お悩みの際には、ぜひ一度ご相談ください。