給与のデジタル払いが今春解禁、です。
以前このコラムで少し触れましたが、労働基準法では
「給与は通貨で直接労働者に全額払う」となっていて、
今は例外で銀行振込みが認められている。
これが政府の規制緩和で、労働者(従業員)のスマホ決済アプリ等に
直接振り込めるようになると言うこと。
「LINE Pay」「Pay Pay」等に。
そうなれば銀行はたまったもんじゃないでしょうね。
かなり反発してるみたいだけど。
極端な話、銀行口座を介さないんだから。
もう何年も前になるけど、当社の中国にある協力会社へ訪問した時の事。
その会社の経理担当役員がこう言っていた。
「今中国ではキャッシュが要りません。我々が支払う給与も「WeChat Pay」でデータ支払なんです。」
「振込み手数料も掛からずとても簡単で便利です。」
「最近はキャッシュを持ち歩く人もほとんどいません。支払は全てスマホです。」
「外出時に必要なものはスマホと充電器か予備のバッテリーだけです。」
僕も海外出張時はキャッシュはあまり持っていません、クレジットカードです、と言うと、
「クレジットカードは後払い。今中国ではクレジットカードもあまり使いません。
お店側も手数料が掛かるので嫌がるし、使えなくなってる店が多いです。」
と返事が返ってきた。
なんか分かったような分からんような話で終ったんだけど、今やっと日本でもPay関係が広がってきて、理解出来るようになった。
その時は、中国は偽札も多いし日本とは状況が違うな、と思っていた。
それにデジタルだから個人のお金の入・出が全て記録される。
それを管理したい中国政府の思惑もあってのことだろう。
日本では現金神話があり、個人情報の扱いもうるさいから、そんな事
にはならないだろうと思っていた。
が、しかしである。
「規制緩和」との名の下に、仮に全ての給与が資金移動業者(LINE PayやPay Pay)に振り込まれたら果たしてどうなるか?
一番怖いのはお金の個人情報がまる分かり。
情報流出での悪用なんてことになったらとんでもない事になる。
そうでないにしても、その人の志向に合せた企業の提案対象にはなるでしょう。
今政府は銀行口座とマイナンバーをリンクさせようとしてますよね。
これも同じことなのかな。
全てを管理したがる政府って、社会主義国やん。