ACアダプタ主要部品 ノイズフィルター編
今回はノイズフィルターについて解説いたします。
ノイズフィルターは文字通りフィルターの役目を果たします。
ノイズフィルターはコイルとコンデンサで構成されます。
スイッチング電源の回路において、AC入力と整流平滑部の間に配置します。(下図②)
AC入力からのノイズ侵入を防ぐと同時に、スイッチング電源で発生するノイズが
AC入力に還らないように(遮断)する働きがあります。
今回はノイズを遮断する働きについて説明します。
整流平滑部で、コンデンサを充電するときにパルス状の電流が流れます。
この電流がノイズとなり、AC入力の正弦波を歪ませます。高調波と呼ばれます。
スイッチング素子でON-OFFを繰り返す時に図中の上部のような鋸の刃のような
電流が流れます。スイッチは高速(整流平滑の1000倍)で動作させるので
整流平滑と同じタイムスケールで見ると、下部のようなギザギザの太い線のように
見えます。このギザギザがノイズになります。
これらのノイズが、綺麗な正弦波に重なって(合成されて)汚い電流波形にします。
高調波は正弦波を歪ませ(オレンジの波形)、この歪んだ波形にさらにピンク色の
ギザギザが重なります。
ノイズフィルターはこのギザギザを濾しとり、歪みを正弦波に矯正する働きがあります。
人々が生活で汚した水を下水処理場で綺麗な水にしてから川に流すのと同じ働きです。
ノイズフィルターに使うコイルは、取り去りたいノイズの種類に合わせて色々な
タイプのものがあります。
このコイルはギザギザを取るのに効果があります。
このコイルは歪みを綺麗に戻す効果とギザギザを取る両方の効果がありますが単独では効果が
小さく、スイッチング電源では上部のコイルと組み合わせて使うことが多いです。
弊社ではノイズ対策部品として、チョークコイルもカスタムで提供しております。