透磁率とは何?
今回のお題は透磁率です。これもコイルやトランスにとって重要なキーワードです。
インダクタンスの説明では力が入りすぎて、変に難しくしてしまいました。
透磁率では簡単にさらっと説明しようと思います。
さて、透磁率とは「物質の磁化のしやすさ」を意味します。
ここで新たに「磁化」という言葉が登場しました。
磁化という現象は皆さんも目にされたことがあると思います。
鉄の磁化が一番ポピュラーではないでしょうか?
一方、アルミニウムの缶を磁石にくっつけても同じ現象は起こりません。
このことから「物質によって磁化のしやすさが異なる」ことがわかります。
物質の磁化される度合いを数値化したものが透磁率です。
ちなみに、鉄は透磁率が高く、アルミニウムは低いと言えます。
トランスはコイルとコアで構成されています。コアに透磁率の高い物質を使います。
強磁性体といいます。
磁性体を使うほうが、電気ー磁気のエネルギー変換と伝達を効率よくおこなえます。
このことは、前々回に説明したインダクタンスが関わってきます。
一般的にインダクタンスを高くとるほうが、性能の良いトランスを設計しやすいです。
インダクタンスを高くするには、コイルの断面積を大きくしたり、巻き数をふやしたり
しますが、コイルに透磁率の高いコアを挿入すると飛躍的に大きくできます。
トランスの設計には、インダクタンスを高くするほうが良い事が多いですが
むやみに高くすると、磁束密度が高くなり磁気飽和や磁気ノイズの発生を招きます。
またまた、新しい言葉が登場しました。これについては次の機会に説明します。