先日、家内と二人で、よく行く鞄屋さんに立ち寄った。
店長さんとはかれこれ10年近くの付き合いなので、
名前も覚えてくれていて、店に顔を出せばいつも声を掛けてくれる。
いつもおしゃれで、流行の洋服をセンス良く着こなしている人だ。
一通り鞄の話をした後、洋服の話になった。
なったと言うか、家内が「いつもセンスいいですね」と話しかけたのだ。
お!これはチャンスかも?と、とっさに思った。
実は先日家内に、
「もう着ない洋服とか無いの?」
「着ないものがあるなら整理してくれない?」
「もう洋服を置く場所がないわよ」
そう言われたもので、なんとか整理をしようと考えて(迫られて)いて、彼ならかなり洋服も持っているだろうから、
洋服の片付け方、あわよくば整理できないのは服好きの宿命みたいな事でも言ってくれないかと期待したのだ。
そして彼から発せられた言葉は…
「洋服や靴や鞄の部屋を借りようと思っています」
「え?」
「それってレンタルの収納とか?」
「いえ そうではなくて、専用にアパートを」
思わず隣の家内と顔を見合わせてしまった。
ちょっと桁が違う。
私が持っている洋服の量とは比べ物にならないほどあるのだろう。
それに彼は洋服を整理して処分するなんて、全く考えていないようだ。
彼のアパートの部屋のいくつかは既に洋服で占領され、生活スペースが無いと言う。
それで別の部屋を借りて、その洋服を移動させたいと考えているそうだ。
さすがの私も、
「洋服には流行りがあるし、体型も変わるから置いといてももう着ないでしょ?」
そう言ってから、
「あれ?」
ちょっとどこかで聞いたセリフ…。
実は家内は整理整頓が大好きで、整理収納アドバイザーなるものを自ら進んで資格取得したほど。
最近は「人の家まで片付けに行きたい」「遺品整理の仕事をしようかなぁ」とまで言い出していた。
そんな人だから、彼女の洋服箪笥やハンガーラックにはほとんど不要な(着ない)洋服はないくらいにきっちり整理されていて、
毎シーズンちゃんと新しい流行の洋服を買っている。
それに比べて私は、こと洋服に関しては処分する事が出来ないでいるため、年々増える一方。
太って着なくなった(着れなくなった)ものを、
価値があるうちに着てくれそうな人にあげたりしているのだけれど、それもあまり気が進まない。
本当に欲しくて貰ってくれているならいいが、押し付けがましい気がしてしまう。
元来モノに執着するタイプで、それでいて収集癖もある為か。
いっそ、シーズンオフの洋服を全てヤ○オクやメ○カリに出品してしまえば、
次のシーズンに新しい物を買う足しにもなるし、部屋もすっきりするのだけれど、
なにぶん数が多すぎて、写真撮影や文章入力など一品一品していたらどれだけの時間が掛かるのか分からない。
と、そう家内に話したら、
「じゃあ私がリサイクルショップに持って行ってあげる」
と平気な顔で言うじゃないか。
「それって1kgいくらの引き取りの?」
「そう。だって、洋服には流行りがあるし、体型も変わるから置いといてももう着ないでしょ」
確かにそうなんだけど…
服の為に部屋を借りようとする店長に潔さを感じてしまった。
そしたらすすめられた鞄がとてもおしゃれに見えてきて、また買ってしまった。
「もう鞄も置くところがないのよ」
「鞄は太っても持てるじゃない」って聞こえないようにつぶやいた。
ただし、会社では「整理・整頓」です。
【整理】とは必要な物とそうでない物を区分し、必要の無い物は処分する事。
【整頓】とは必要な物を使いやすい様に置き場所を決め、明示すること。
間違いやすいのは、片付けとは全く意味が違うという事。
ただ綺麗に並べることが整理整頓じゃないという事を、事あるごとに言っています。
働き方改革で労働時間が制限されるようになり、いかに効率よく仕事をするかが問われています。
それが原点に返って「整理・整頓」なのです。
ある文房具メーカーの調査では、書類探しに年間80時間、
メールやその他を含めると1人年間150時間も探し物をしているらしいです。
皆さんも仕事では「整理・整頓」で効率を上げましょう。
洋服も整理しなくちゃ。