電力の単位:W(ワット)とVA(ボルトアンペア)とは?
今回はW(ワット)とVA(ボルトアンペア)の違いについてお届けします。
電力には有効電力、無効電力と皮相電力というものがあります。
皮相電力は有効電力と無効電力を合わせた見かけの電力のことです。有効電力は
抵抗などの負荷で消費される電力、無効電力は交流電流がコイルやコンデンサーを
通過するための電力です。【無効】とは電力を消費しないという意味で、実際には
回路の電圧維持などに必要なため決して無駄な電力という意味ではありません。
言葉ではさっぱりわかりませんね・・・
LEDデスクライトを点灯するときの各電力を図にして説明します。
皮相電力(VA) = 有効電力(W) + 無効電力(VAR)
有効電力とは負荷で消費する電力 | 単位は【W:ワット】 |
無効電力とは仕事(消費)をしない電力 | 単位は【VAR:バール】 |
皮相電力とは有効と無効を合わせた見かけ上の電力 | 単位は【VA:ボルトアンペア】 |
各電力には上記の関係が成り立ちます。しかし単位が違うので、単純に足し算は出来ません。
まだ、わかりにくいですね。例によって、水に例えて説明してみます。
電気製品で仕事をさせることは、大きな川を船で対岸に渡ることに似ています。
対岸を目指して船を漕いでも、川に流されて下流に到達してしまいます。
目的の位置に着くには川をさかのぼらないといけません。これが無効電力です。
川の両岸に電圧をかけて真横に電気を流したいのに、実際には下流に向かって電気が
流れてしまうことになります。この電圧と電流のズレが無効電力を発生させます。
またこのズレのことを位相差θといいます。(これが単純に足し算できない理由です)
電力源の交流回路において、入力電圧と入力電流は電圧検出用トランス(VT)と
カレントトランス(CT)を使って測定できます。電圧・電流がわかれば皮相電力を
求めることが出来ます。
これらのトランスを使うことによって位相差も測定できます。
皮相電力と位相差がわかれば有効電力と無効電力は計算で求めることが出来ます。
正確な電力の算出には精度の高いトランスで測定することが重要です。
是非、加美電子の電圧検出用トランス(VT)とカレントトランス(CT)をお試しください。
電圧検出用トランス(VT)はこちら
https://www.kamidenshi.co.jp/products/p_category/voltage_trans/
カレントトランス(CT)はこちら
https://www.kamidenshi.co.jp/products/p_category/current_trans/