「ピ―ッ ピ―ッ ピーッピーッ ピッピッピッピイ――。」
車でバックしていて、ギリギリまで幅寄せした。
車から降りて後ろの壁との隙間を確認すると、数センチ!
「完璧な車庫入れ。運転うま!腕上げたな!」
すると家内が、
「だってバックモニターとセンサーで教えてくれるから、誰でも出来るし簡単よ!」
最近の車は何でも付いている。
安全装備とかで衝突センサーやレーダーやカメラを使った自動ブレーキとかは必要だろうけど、
中には多分10年乗っても物珍しさで最初だけしか試さない様な装備がわんさと付いている。
少しでも便利にって事だと思うけど、これらの車に使われる電子部品…
とりわけチップセラミックコンデンサに関しては1台当り3000個~6000個。
スマホが500個~900個だからその数は相当なものになっている事が分かります。
またそれらが好調なもんだから、そちらに使われちゃって、我々が使うチップセラコンが不足してしまってるんです。
特にこれから電気自動車の時代になれば益々こちらには回ってこない状況となるかも知れません。
製造メーカーも、一個当り日本の最小通貨単位で計算できない超低価格品に積極的な投資は難しいと思います。
頼みの綱の海外製も受注が集中し、価格は2倍以上に跳ね上がり、更に新規取引お断り…なんて話も出てきている様です。
そんな中で、納期が2ヶ月だったものが6ヶ月となり、1年になり、更に入荷数量は未定なんて事も…。
このまま日本の電機・電子産業は車産業に呑み込まれてしまうのでしょうか?
得意げな顔をしている家内を見てふと、モニターやセンサー無しで一発車庫入れを決めた時は私も同じ顔をしていたのか、問うてみたくなった。