今月号は「今さら聞けないトランスの基本 Vol.5 主要材料(ボビン)編」です。
今回はトランスの主要材料編ということで、トランスに使われる材料についてご紹介します。
トランスの材料に隠された秘密を簡単に解説いたします。
みなさまはボビンと聞いてどのようなものを思い浮かべるでしょうか?
こちらがボビンになります。
ボビン単体の写真 | 銅線を巻いたボビンの写真 |
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では銅線を巻いたボビンを真上から真っ二つに切断してみましょう。
銅線を巻いたボビンを真上から真っ二つに切断後 |
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このようにボビンは、銅線を巻くのに必要な枠のような役割があります。
トランスの設計をする時には、この枠に収まりきるような銅線の線径と巻数を決定します。
この他にもボビンの役割はあります。
トランスは一次巻線(入力側)や二次巻線(出力側)、コアなどから構成されます。
安全上、一次巻線と二次巻線や、一次巻線とコアなどの距離を取り絶縁距離を確保する必要があります。
ボビンの構造によっては、そのボビンの構造だけで必要な絶縁距離を確保することができるため、
他の絶縁物で距離を取る工夫をしなくてもいいことがあります。
※絶縁距離とは・・・? 人間が触れて感電したり、不都合なことが起こるのを防ぐため導電部間の距離を取ります。 |
参考までに当社で取り扱っている代表的な低周波トランス用のボビンについて紹介します。
一体ボビン 加美電子での名称:Aタイプ | |||||
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構造 |
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特徴 |
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セクションボビン(センターフランジタイプ) 加美電子での名称:PE | |||||
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構造 |
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特徴 |
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セパレートボビン(1) 加美電子での名称:ES | |||||
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構造 |
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特徴 |
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セパレートボビン(2) 加美電子での名称:◆リード線タイプ:KS ◆ピンタイプ:PQ |
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構造 |
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特徴 |
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ボビンは必ず必要かというとそうでもなく、大型のトランスになると太い銅線を使用するため、ボビンがなくても巻線としての状態を維持できるので、下図のようにボビンではなく絶縁紙を使ってトランスを作ることもあります。
レア巻きと呼ばれることがあり、ボビンを使いません。
弊社ではお客様の製品に合うように全てカスタムで設計しています。 |