~~~~ 前号からのあらすじ ~~~
娘の車を買う事になり、最近よく売れているというディーラーにでかけるも、セールスの対応が……
そのディーラーをあとにし、馴染みのM社へ行ったところ……
「お帰りなさいませ!」
店に入るなり顔見知りのセールスがやってきた。
「え!」少し驚いた顔をすると、
「さっきまでお隣のディーラーに行かれてましたね。」
「そうだけど、どうして知ってるの?」
「さっきお昼ごはんに店を出たら奥様の車が見えまして。」
「すいません。浮気してました。いや、しようとしてました。」
なんとなくバツの悪い感じがして、冗談っぽくそう言うと……
「いえいえ、とんでもないです。」
「あちらもすごくいい車ですから」
「今回もうちで買ってくださるのでしたら、できるだけ頑張ります!」
「ご要望をお聞かせ下さい。」
満面の笑みでそう答えた。
我々家族も自然と笑顔になった。
「これはどうかな?」
展示してある最近流行りの少し背の高い車を覗き込みながら
娘が気に入ったのか、うれしそうに聞いてくる。(もちろん黄色いナンバーだけど)
中に乗り込むと、安全装備はほぼ万全、全席にはシートヒーターまで付いている。
「すごい装備ですね。」
「それに室内が広い」
そう言うとセールスは
「はい」「みなさん良く言われます」
「で、売れてるのこれ?」
「はい」「大変好評で良く売れています。」
「う~ん」「すぐに乗りたいんだけどな。」
「良く売れていて、4ヶ月待ちとかじゃないよね?」
そう聞くと。
「直ぐ調べます」
そう言い残し、足早に店の中へ消えていった。
そう言えば我々もよくお客様から
「すぐに欲しいんだけど」
と言われる事がある。
特に大型と言われる設備用のトランス販売を始めた頃は
「在庫はありますか?」「あれば直ぐ欲しい」
そう言われた。
その事もあって、現在は標準的なモデルは当社で在庫し、
当日や翌日には出荷できる体制をとっています。
大切なのはお客様の気持ちに寄り添う心
例え要望に応えられなくても、
一生懸命になって寄り添う気持ちに人は心を動かされるのだと思います。
AIが進化し効率が良くなっても、人の心は不変であると思っています。
で、娘の車はどうなったかですが、
1ヵ月は待ちましたが、笑顔の素敵ないつものセールスからお気に入りの1台を購入しました。